夏子の酒物語その6    夏子に説教する上司「原田の熱意!」

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夏子の酒第6弾です。

前回までのあらすじ。

ガンを告知された兄への耐えきれない
思いを胸に、夢だったコピーライター
への道をめざして、東京に戻って
きた夏子は、大手酒造メーカーの
広告を任され、なんとクライアントに
大好評を得たと社長からじきじきに
褒められて、大きく夢に前進しました。

しかし同時に、クライアントのためなら
、偽の酒も褒め称えて、飾りだけの言葉
を並べてみせるというコピーライターの
仕事に疑問を持ち始めます。
納得のいかない夏子を説得しようと上司
の原田は試みるが、なかなか気持ちの
晴れない夏子を見て、奥の手なのか、
全国区の大手新聞社の印刷の現場に
連れて行き、夏子の書いたコピーが
活字になって出て来た新聞広告を
束になって渡す。
自分の広告が全国の新聞の1ページを
堂々と占有している、まさに自分の
夢の一つがかなったという現実を
みせつけられた夏子は、驚きます。

今回は、それを手にした夏子との帰り道
で少し寄り道をして道路脇の公園のような
ところで、夏子にもう一度諭そうとする
上司の原田とのシーンを再現していきます。

「」内の言葉のみの引用です。

その公園で自分の広告のページを上にして
地面に並べていく夏子、どこかまだ他人事の
ようで、自分のした事を確かめたいという
事だったのでしょう。

広告のページをならべていく夏子に原田が、
笑顔で語りかける。

「壮観だな」
「佐伯くんおれは君にずっと
小さい仕事を回してきた」
「今度の仕事も前の美容院の広告ハガキを
みて決めた」
「君が酒蔵の娘だろうが
なんだろうが知っちゃいない」
「そんなことは才能と何の関係もない」

これは、原田が夏子の才能を認めて今度の
仕事を任せたという事で、オニの原田
にして、とても珍しい事のようです。

しかしそれを聞いて以前なら、大きく
喜ぶはずの夏子はまだ無言で
広告を地面に並べ続けてます。

「・・・」

そしてまた原田が続ける
「だが第2弾でネを上げるなんて
思いもよらなかった」
「もう少し骨のあるヤツだと思っていた」

これは説得の定石通りですねー。
つまり厳しい上司が、ずっと自分の仕事
ふりを見てきて、さらに才能を評価して
くれているという、うれしさがあれば、
この上司の期待を裏切ろうとしている
自分に奮起するはずですね。
しかし、夏子はもっと深い部分で納得
していない様子です。

原田は続けます。
「君はこの初陣を棒にふるつもりか!?
たかが兄さんの病気くらいで!」

思わず叫ぶ夏子
「原田さんどうしてそれを?」

「君の提出した休暇届を調べた」
「君は実家から帰ってから様子が
変だった・・・」
「チエ熱の原因はやはりそれか・・・」

自分の弱さを指摘されているとわかった
夏子は呆然としています。

ここでやはり奮起を促したい原田は
トドメに厳しい言葉を投げかける。

「佐伯くん!代わりはいくらでもいる!
肉親の病気をできない理由にする
くらいならやめろ!!」
「死んだわけじゃあるまいし!」

なよなよして女々しい気持ちでいる
はずの夏子を激励するはずの原田。
つまり夏子の兄は、病気でも生きて
いるんだからいつかは治る、今は
自分の仕事に集中しろという意図
だったわけですが・・・・💦
なんとまさかその夏子の兄が癌に
かかって、死が予定されている
とまでは思わなかったようです。

ですが夏子はそれを聞いて、頭の中
では考えないように務めていた兄への
思いが爆発してしまうのです。

バサバサ(効果音)

夏子は思わず、まだ手の中にたくさん
持っていた広告付きの新聞を落として
しまいます。
夏子もショック。
そして原田もショック。つまり原田の
説教はあえなく自爆してしまった
という事です。

呆然として立ち尽くす二人。

先に急に声を落としてやさしい声音に
なった原田が問いかける

「佐伯くん・・・」
「まさかお兄さん」

そしてそれには答えず、自分に言い
聞かせるように語る夏子は、つまり
やはり兄が不治の病だと認めた
事になります。
「そうですよね」
「死んだわけじゃ・・ないんですよね」

もちろんここでは不治の病としかわから
なかった原田は、さらに呆然としながら
夏子に問う。

「病気って・・・なんの?」

「考えまい 考えまいとしていたのに」
「やはり・・・ひっかかっていました
すみません」

「病気を聞いてるんだ」

「ガンです・・・長くて1年です」
「・・・もう少しがんばらせてください
兄のこといいわけにしません」
といいつつ兄への思いが心に重くのし
かかる夏子。落とした広告や地面に
ならべた広告をひろいげていく夏子。

とその時突風が吹きます。

なんと広告が風に飛んでいってしまい
ます。
道路にまで飛んでいった広告を素早く
追いかけていく原田。

思わず叫ぶ夏子。
「原田さん!」
「あぶない!原田さん」

しかしクラクションをならされながらも
ひるまず、原田は夏子の大切な広告を
拾い上げていく。
いつもは冷静な原田が見せた必死さに
胸を打たれる夏子。

全部拾い上げて戻ってきた原田に
礼をいおうとする夏子だったが

「原田さ・・・」

バサッと、拾い上げてきた広告を夏子
に押しつけて原田は

「帰れよ佐伯くん」
「田舎のお兄さんに出世したって
報告しろ」
「こいつは明日宅急便で送れ」

息を切らしながら原田が、夏子に言う。
そしてそのまま遠ざかりながら、
原田は声を投げかける。

「いいな!絶対電話するんだぞ」

なおも遠ざかりなが原田は叫ぶ

「絶対だぞ」

もちろん原田の胸のうちは、これで
田舎のお兄さんが喜んでくれたら
夏子も自分の仕事の誇りを取り戻し、
兄の言葉を聞いて安心もするだろうと
いう読みがあったでしょう。

自分の広告を危ない目をしててでも
拾い上げて、自分の兄への思いにも
配慮してくれる原田に呆然としながら
も、親近感を持って見送る夏子。

そして自宅に戻り一人電話の前に
座る夏子。これから兄へ報告しようと
しています。

“「」内セリフのみ
出典:「夏子の酒」
尾瀬あきら著
       講談社漫画文庫刊”

今回はここまでです。
次回は夏子が電話をするシーンから
になります。
今回は、よくできる上司の原田の言葉で、
もう少しがんばってみようと思い直す
夏子というところまででしたね。

次回もお楽しみにーー(^_-)-☆

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