夏子の酒物語その3    夏子の夢と現実とのギャップ

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夏子の酒物語第3弾です。

前回までのあらすじ

夏子は二人兄弟の兄が倒れたと
いうので、故郷の実家に急遽
戻ってきました。

兄との久しぶりの再会を果たすも
兄の顔はなんだか、弱っている
ように見えます。
それでも兄は、幻の酒米「龍錦」の
種籾をもみつけて、日本一の酒を造る
という夢を夏子に語ります。
そんな兄をまぶしい思いで見つめながら
も、兄の病気が重いものである事を
悟った、夏子は実家の酒蔵の責任者
である、杜氏のじっちゃんに、兄の
病気について、本当の事を聞き出し
ます。
じっちゃんがいうには、兄はガンで
医者から後1年の命もないと、告げ
られます。
涙ながらになんとかその事実を
受け止めた夏子は、なんとか
気力をふるい立たせて、自分の
夢であるコピーライターを目指す
ための仕事に戻ります。
兄は東京に戻る夏子に、龍錦が
実る秋に戻ってこいと叫びます。
そしてそれが夏子の見た兄の最後の
姿になりました。

さて今回は、兄がまだ生きて頑張って
いる、そんな時に自分もまた頑張ろう
と決心して夏子が東京に戻ってきた
ところからです。

東京に戻ってすぐに、会議室に直行する
夏子を待っていたものは、すでに
会議が終わって、上司の原田から、
クライアントである兵庫県の大手酒
メーカー「長谷酒造」への出張同行を
命じられた事です。

なんと東京に戻ってすぐに、クライアント
に会いに行くための出張を命じられたの
です。
これは、実はそれまで大した広告を任せて
もらえなかった夏子に訪れた大きな
チャンスだったのです。
つまりその大手酒造メーカーの広告を
任せてもらえるという事だったのです。
原田という人物の役職はちょっとわかり
ませんが、まう主任くらすでしょう。
オニの原田と陰口をたたかれるくらい
厳しくそしてヤリ手の、上司のようです。
あもちろん今回の画像が、その原田という
事ですね。

そして同行した社員も含めて4人ほどで、
「長谷酒造」の工場を見学する夏子たち。
さすがに大手酒造メーカーだけあって、
何から何まで、大型の自動の酒の生産
装置です。
逆に何から何まで、手づくりの夏子の
実家の蔵とは全く違います。
もちろん年中酒を製造する事ができて、
冬の間だけ酒造りのできる夏子の蔵と
違って、大量に酒を生産できるようです。
夏子が酒に詳しい事を見てとった、長谷
酒造の工場長は、夏子の蔵は年間にどれ
くらい製造できるのか聞くと、なんと
このメーカーの3日分くらいのものらしい
のです。
そして最後にその長谷酒造のできたて
の特級酒を、試飲させてもらいます。
「いやーさすが灘の生」などとお世辞を
いう、夏子の先輩たちとは裏腹に、
夏子は口にしても浮かない顔のままです。

さて工場見学のその晩、社員同士で飲み屋
で盛り上がる場面です。

酒を口にしない、夏子に酒の味はわから
ないとばかり、灘の酒を褒める他の
社員たち。
しかし原田は、日本酒なんてみんな同じ
だと語る。
妙に甘ったるくてベタベタしてピリピリ
するという原田に、他の社員たちは、灘
の酒を弁護しようとする。
しかし、夏子はたとえ安酒でも灘の特級酒
より自分の実家の酒の方が、うまいと主張
します。

その当時は酒は特級酒、一級酒、二級酒など
という区分がされていて、単に値段の上
でだけの分け方だったようです。
つまりまずくても、大手メーカーが
特級酒だといえば通る時代だったという
事ですね。
そして夏子の実家の酒は手づくりで質の高い
酒だったにも関わらす、安い価格にして
売るしかなかったのです。

その事を酒の席で主張しながら夏子は、実家
の蔵と兄の事を思い出して、自然と涙が
溢れてきます。
そして突然そのまま酒の席を飛び出して
ホテルに帰ってしまいました。

それを心配した、オニの原田が、夏子のホテル
の部屋を訪ねると、夏子はすでに落ち着きを
取り戻していました。

原田は、夏子の忘れ物も届けにきたのです。
それは夏子の実家の酒の入った紙袋でした。

さて今回は、その時の上司原田と夏子の会話
を再現します。
セリフのみ引用で、解説は私です。
セリフは一行空き、で交互に替わります。

 ~以下引用~

部屋に戻って机に伏せって泣いていた夏子は、
ドアの音のノックに気付きます。
開けてみると、そこには原田が夏子の忘れた
バッグを持って立っていた。
「わすれものだ佐伯くん」

「すみません」

「いきなりとびだして帰るから
てっきり仕事をするの日と思ったら・・・
まだメソメソしているのか」

「もうスッキリしました
これから朝までがんばります!」
やる気を必死にアピールする夏子。

「その意気だ
できたらいつでも呼んでくれ」

原田が部屋を出て行った直後。
ハッとする夏子。あわてて原田を
呼び止める。

「ハッ」
「待ってください原田さん!」
「待って!」

「なんだ?」

「これ・・・これです」
バックから急いで実家の酒を取り出す
夏子。

「銘酒 月の露?
これは君の・・・」

「ええわが家で造ってる二級酒です
これ兄さんのみやげなんです」
といい
ながコップを渡して、酒を注ぐ夏子。

「酒はもう充分のんだよ」

「いいからのんで!」

酒を口にした原田の顔がみるみる
驚きの表情に変わる。
「・・・うまい」

「でしよ?」

「スッキリしていやみがない」
「うん・・・これならのめる」

「兄はいつも言ってました・・・
れは三流の特級より一流の二級を
造るんだ・・・って」

「お日様?」

「兄の好きな言葉です」

語りながら夏子の回想シーンに入ります。
蔵の中で、絞りたての酒を飲みながら
兄が、まだセーラー服を着ている夏子に
語りかける。

「夏子・・・不思議なもんだな・・
酒って」
「この透明な液体の中にきめこまやかな
たくさんの味がひそんでいる。」
「ちょうどなんの色もない太陽の光が
プリズムを通すと七色の虹になって輝く
・・・あれと同じだな」
「夏子お酒はお日様の光なんだな」
「神が与えてくれた最高の
恩恵なんだな」
そう語る兄をまぶしそうに見つめる夏子

回想シーンのあと、いつしかそのころの
事を思い出し、夏子は、月の露の瓶を
抱きしめる。

聞きながら、窓の外を見ていた原田が
ふと口にした。
「お日様の・・・光か」

「はい」

「それ・・・いいんじゃないか」

「え?」

「それいただきだ佐伯くん!
今君の頭にあるイメージそのまま
原稿用紙に写せ」
「机に向かえよ」

原田の突然の言葉にとまどう夏子。
「あ・・・」
「お日様の・・・光」
「七色の虹・・・」

「酒そのものの深さにふれるんだ!」
「兄さんの言葉を思い出せ!」
「どうした?」

「原田さんは兄の言葉を・・・
兄の酒への思いを
あの金寿のコピーに使えと
いうんですか?」

「少なくとも金寿は七色の味は
しませんでした・・・」

「佐伯くん言っとくがれたちは
商品すべてを愛してなければ
コピーが作れないのか?」
「だったらプロとしては失格だぜ」
そう言いのこして部屋を去る原田を
呆然と見送る夏子。

~引用終了~

“「」内出典:「夏子の酒」
尾瀬あきら著
       講談社漫画文庫刊”

あと1年と持たない兄のいる実家を
残して、自分の夢であったコピー
ライターになるべく再び会社に戻った
夏子だったが、なんと戻ってすぐに
大企業の酒造メーカーという大手の
クセライアントの広告をまかされる
事になった夏子。
しかし、自然の発酵によらない
アルコールをまぜて、大量生産される
そのメーカーの酒「金寿」は、実家
の酒とは比べ物にならないくらい、
まずかったのです。
そんな酒の広告に、兄の造る酒への
思いが込められた言葉を使えという
上司の原田。

これには、夏子も全く納得しなしまま
それでも仕事だと割れきって机に
向かいます。
そしていつしか机の上で原稿を
仕上げて眠りこんでいた夏子が次の
朝を迎えます。

さてさて東京へ戻って、最初の仕事が
大仕事で、なんとこともあろうに
家の酒蔵などのような小さな蔵を、次々
と廃業に追い込んでいっ、大手酒蔵
メーカーの広告だったという皮肉な
ものに。

夏子は、兄の日本一の酒つくるための
情熱に心を打たれて帰ってきたばかり
なのに、大量生産の雑な造りと宣伝力で
大もうけしている酒蔵メーカーのために
働くという事に違和感を持ちはじめて
いました。
そこへさらに、兄の大切な本物の酒への
思いがつまった言葉を、その雑な酒の
宣伝のために使えという原田だと
いうわけです。

全く納得しないまま、それでも仕事だと
割り切って机に向かいそのコピーを
仕上げる夏子。

さて次回はどうなるか、また楽しみに
なってきた人、いるかなーー💦

まだブログはじめたばっかり
ですが、なんとか押し上げて
くださいねーー(^^)/
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