夏子の酒物語その12

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夏子の酒物語第12弾です

前回までのあらすじ

東京でコピーライターとして
一人前のプロになるために
がんばっていた夏子は、
敬愛してやまない兄の訃報に
大きなショックを受けます。

敬愛する兄の葬儀に、戻って
きた夏子には、新しい出会いが
待っていました、兄康男の後輩で
最近実家の佐伯酒蔵を手伝い
始めた草壁という好青年です。

また跡取りを失って意気消沈して
いる佐伯家では、当主の夏子の父が
しっかりしていて、兄の妻である
和子にもあたたかい言葉をかけて
あげたりして、佐伯家はひとまずは
落ち着きを取り戻そうとしいます。

そして蔵では葬儀が終わってすぐに
杜氏のじっちゃんが酒造りを再開
して張り切っています。
兄康男はじっちゃんにとっては
専務にあたりますが、康男の供養には
康男が愛してやまない酒造りに励む
事がなによりの供養だと夏子に話して
います。

そしてじっちゃんとともに蔵の天井部屋
に上がってきた夏子は、梁に吊された
龍錦の種籾の入った袋を見つけます。

じっちゃんは夏子に、康男の残して
くれた龍錦の種籾から、龍錦の栽培を
成功させて、それをもとに日本一の
酒をつくるという意気込みを、情熱的に
夏子に語ります。
そして胸を打たれた夏子の心の中に
変化の兆しが、あらわれてきます。

さて今回はここからの話になります。

「」内のセリフのみ引用です。

じっちゃんの話を聞いて、兄が造り
たかった日本一の酒について、しばらく
考えて過ごす夏子。
兄の遺影の前で、そして縁側で、
ずーっと考え込んでいます。
自分も手伝ってみたいと、おそらく
夏子の頭の中にはあった事でしょう。
でも自分にはコピーライターの夢が
ある。それをあきらめるわけにも
いかない。そういった事を考えて
いたのだと思います。

ふとそんな時、玄関の方で夏子の父が
怒鳴っているのが聞こえてきました。

大声で康男の妻の和子を呼んでいます。
何事かと、夏子も、夏子の母も玄関
にいきます。
みると泥だらけになって泣いている
和子の息子隆男を胸に抱いた父が
和子を呼んでいるところでした。

ようやく奥の部屋から出て来た和子
は、まるで何事もないかのように
さほど驚かずに、隆男と父を出迎え
ます。
「あらタックン ドロンコ」

一瞬毒気を抜かれたように拍子抜け
していた父は、それでも厳しい父親
らしくどえらく怒鳴ります。
「外の水田に落ちて泣いていたんだ!
子供をほったらかしておいて 
それでも母親か!!」

しかし怒鳴られても全然平気な和子
は、泣き止まない隆男をやさしく
それでも大した事ないかのように
なぐさめます。
「しょうがない子ねェ 
これで3度目よ」

どうやらこれまでにもあった事で
ケガしないようには遊べてる
隆男には安心しているようです。
つまりさほど大騒ぎするような
事でもないと、和子は父に
そう語っているようにも見えます。

逆に父は怒鳴っても、全然堪える
気配のない和子に再び毒気を抜かれて
ます。

しかし、和子が持っていた決算書に
目を止めます。
「和子それはなんだ」

「今月の決算書のチェックをして
いました」
「主人の仕事でしたから」
と和子はどうやら康男のしていた仕事を
自然に引き継いでいたようです。

「誰がそんなことを頼んだ」
和子にそこまで負担はかけられないし、
隆男の養育にも専念してもらいたい
父はまた叫びます。まあ普段はわりと
厳しい父親のようです。
前回は、それだけ普段と違って和子に
あたたかい言葉をかけていたという事
になります。
「康男の仕事はわしがすべてやる!!
営業の者もおる!
おまえは今までどおり隆男の世話に
専念しろ!!」

ここで少し反省した感じで、沈んだ感じ
で素直に謝る和子
「・・・すみません」

父は声を落として、しかし厳しい顔の
ままです。
「隆男を風呂場につれていけ」

言われる通りに隆男を風呂場に連れて
いきかけながら、少し離れた場所から
もう和子は、父の言葉に従わない事を
宣言します。
今度は一転毅然とした表情を崩さず
つけいる隙が全くないような強さを
秘めたような表情で、言うのです。
(今回のイラストの表情ですね)
「お父さん」
「あたし・・・
仕事やめません」
「これだけはお父さんにゆずりません」
「あたし佐伯の長女ですから」
どうやら、和子の心には、まだ康男と
共に、佐伯酒蔵を支えていたという
思いがしっかりと残っているよう
です。
つまり康男は死んでも、自分の中に
康男の魂は生きていて、まだ一緒に
酒造りを支えているという気持ちで
いたので、自分から康男の魂を
奪わせはしないという、あまりにも
強いそして揺るぎない意志があった
というわけです。

まさにその事が、長年佐伯酒蔵を
支えてきた当主である父には、よく
わかったのでしょう。
和子の強い意志には納得せざるを
得ないものを感じて、見送るしか
ない自分の姿を少し恥ずかしいと
感じつつも、少しうれしい気持ちで
いる父であった。
(イラストのような感じの父です)

夏子は母とともに、父の傍にいて、
どこまで理解できていたのか、
まだ夏子は若いので、そのあたりは
よくわかってないのではと思い
ましたね。

ずっと和子に集中していたが、和子を
見送って、ようやくまわりに気付いた
のか、息子の嫁に気押されて立ち
尽くしている自分のそばに夏子が
いるのに気付いて、急に恥ずかしく
なります。

そして父親の威厳を取り繕いたいのか
それとも和子に気圧された恥ずかしさ
からか、今度は夏子に当たり始めます。

「な なんだ
夏子 おまえまだいたのか!?」

急に矛先が自分に向けられたので
呆然とする夏子。
「え?」

「葬式は済んだんだ
さっさと東京に戻って仕事しろ!!
怠け者が!!」
「まったくどいつもこいつも」
ドスドスと太った身体で、けたたましい
足音を響かせながら、捨て台詞のように
怒鳴りながら去って行く父でした。

まあ本当は心細いし、夏子には傍に
いて欲しいのでしょうが、甘えて
られない自分の弱さを父親の威厳の
ように見せかけて、虚勢を張るなんて
昭和生まれのお父さんには、ありがちな
タイプでもあるでしょう。

ただまじめな夏子は、言葉を素直に
受け止め東京に戻る決心をします。

“「」内セリフのみ
出典:「夏子の酒」
尾瀬あきら著
講談社漫画文庫刊”

今回はここまでです。

夏子は、兄の残した幻の酒米の
龍錦の種籾から、兄の遺志を
実現させる決意でいる杜氏の
じっちゃんの思いに、心を揺らし
ながらも父の言葉通り東京に戻って
またコピーライターの仕事を
続ける事にします。

今回は、佐伯酒蔵を支えている
のが父や杜氏のじっちゃんだけ
でなく、康男の妻和子も同じ
気持ちでいる事がよくわかる
シーンでした。

次回は夏子が、東京へ戻る前の
晩に、草壁と話をするシーンです。

ではまた次回をお楽しみに(^^)

 

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