夏子の酒物語 その13 兄への思いを胸に東京へ戻る夏子

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夏子の酒物語第13弾です

前回までのあらすじ

夏子は、酒蔵として名家である
佐伯家を離れて、単身東京で
コピーライターを目指して
働いているOLです。

しかし、敬愛してやまない兄が
亡くなった事により、葬儀のために
実家に戻っています。

大切な跡取りを失った佐伯家は、
大きな悲しみを乗り越えて前向き
になろうとしていました。

夏子は、その時兄が死の直前に
「幻の米 龍錦」を見つけて、
杜氏のじっちゃんに託して
この世を去った事を知ります。

龍錦は、兄が病気の身体であるにも
かかわらず、必死で探し回っていた
酒づくりのために最適だと、されて
いる幻の米で、そのために命を縮めた
ともいわれています。

兄は、夏子に以前会った時に、その
龍錦で日本一の米をつくるんだと
語っていたので、その兄が、夢を
達成しないまま、この世を去るなんて
夏子はとても残念に思っていました。

しかし、杜氏のじっちゃんが、
兄の夢を受け継いで龍錦で日本一の
酒をつくろうと、強く決心をして、
大きく胸を打たれた夏子はしばらく
考え込んでいましたが、意気消沈する
佐伯家を一人支えて、がんばろうと
意気込む夏子の父に東京へ早く戻って
仕事をしろといわれた夏子は、やはり
東京へもどってコピーライターの仕事
を続ける事にします。

今回は、東京へ戻る直前の夜に、蔵で
遅くまで働く草壁に、酒を飲もうと
持ちかける。
まあ草壁が呑んべだと自己紹介して
たから、それを覚えていての事でしょう
が、普通はうら若き乙女の言うセリフ
ではないですよねー(^_^;)

なんと一升瓶を持ってきてそれを言う
わけです。

ここから「」内のセリフのみ引用です。

「草壁さん」
「あたし・・・明日東京に戻ります」
この時は幾分控えめに愛想よく、声を
かける夏子でしたが、なんとこの時
後ろ手に、一升瓶を隠し持っています。

「ああ・・・」
と草壁さんが、実はなんとなく夏子が
気になっていたけれど、言葉にはでき
ないので、これだけしか言葉になら
なかった感じで頷くと

夏子はやはり、おもむろに一升瓶を
見せて、にっこり微笑みながら
言うのです。

「もうお仕事終わりでしょ」
「一杯のみませんか」
あちゃーーやっぱり言ったかー(^_^;)

二人は、蔵に隣接している田んぼの
あぜ道の土手で、コップを手にして
います。かたわらには、実家の酒
の一升瓶「月の露」が置かれてい
ます。
星の見える綺麗な空を、田んぼに
たたえられた水面が映すのを見つめ
ながら夏子が、話しかけます。

「草壁さんはなぜこんな所で働く気に
なったんですか?」

「さあ・・・」
と草壁。のんきな性格なのでしょう。

「あたし・・・」
「ずっと東京に憧れてたの・・・」
「こんななにもない田舎が
うんざりで・・・
一時も早く抜け出したいと
思ってた・・・」

「じゃあおれとは逆ですね」
「おれ東京にうんざりして
飛び出してきたクチだから・・・」
夏子に共感するように、にこやかに
答える草壁でしたが、若い夏子は
酔ってるのか、自分の憧れてた
東京が、うんざりなどといわれて
カチンときたようです(^_^;)

「飛び出した・・・?」
「うそ!あなたは東京から
逃げただけなんでしょう?」
なんとまあ、草壁の事をよく知り
もしないうちから、草壁を
なじります💧

「まあ・・怠け者ですから・・・」
と微笑みながら、返す草壁。
さすがにこちらの方が度量が
あるようで、夏子の失礼な言い方
にもにこやかに答えます。

ですが酔っている夏子は、そんな
度量の草壁のありがたみを理解する
どころか、ますます勢いづいて
いきます。

「あたし違うわ!逃げたりしない」
「うんとがんばってやっと大きな
仕事させてもらえるようになった
のよ」
と叫びだします。
あーロマンチックな夜だこと
( ̄▽ ̄;)

どーやら、草壁が問題なのでは
なく、いま自分が兄が残した夢で
ある日本一の酒をつくるという事に
対して迷っているという葛藤を、
口にしているわけですね。
つまり自分が決めた道をあきらめる
のは逃げなのではないか?などと
考えていたのでしょう。
そりゃあ草壁からしたら
なんのこっちゃという事でしょう💧

「疑ってるの?うそじゃないわ!
全国紙に載るのよ全10段の広告よ!」
「社長にだってあたし・・・」
まるで自分に言い聞かせるかのように
まくしたてる夏子。

それを聞きながら、もはや遠くを見る
目になっている草壁。

それを見てどうやらやっと我に返った
夏子は黙ります。
「・・・・・」
しばらく黙りながら飲む二人でしたが、

静かにそしてあたたかく草壁が語り
始めます。

「酒は・・・楽しい時にのむものだ」
「つらい時悲しい時にのんでは
いけない・・・」
「やけ酒は酒を造った者に対して
失礼である」
「これ先輩の言葉です」
この先輩とはもちろん、夏子の兄の事です。

それを聞いて、少し自虐的な笑みを浮かべ
ながら夏子が言います。
「草壁さん・・それ皮肉?」

「ただし例外をひとつだけ認めよう」
「それは愛する者を失った時だ」
草壁は、答える代わりに答えとなる
兄の言葉を続けます。ちとかっこいい
ですね。
要するに、夏子は今悲しんでいるのだ
と草壁は感じて、うまく夏子の兄の
言葉を持ち出して、夏子をなだめて
あげたという事です。かーええ男
やんかー(^^)

夏子は、内心図星なので、少し面白く
ないと感じながらも、次第に今の
自分を冷静に見られるようになって
いきました。

田んぼの前には、
「龍錦栽培予定地」
という大きな立て札が立っています。
以前兄がそれを前にして、夏子に
日本一の酒をつくる夢を語って
いたのでした。

それを前にして今度は草壁が語って
います。
「おれは先輩を手伝ってこの田に
龍錦を植えるつもりでした・・・」
「日本一の吟醸を一緒にのむ
つもりでした」
草壁は、夏子の兄への想いを語って
いきます。

そして一升瓶の残った酒をその兄の
立て札に上からかけていきます。
まるで兄の魂が、その立て札にも
宿っているかように、供養のような
感じで、酒をかけていきます。
かけながら、草壁は立て札つまり
夏子の兄へ語りかけます。

「先輩・・・」
「月の露です」

それを見ながらいつしか、
おだやかな表情になって笑みを
浮かべる夏子なのでした。

ちなみにこの時の二人の顔が上の
イラストです(^^)

翌日また駅まで、実家の軽トラで
送ってくれた草壁とあいさつをかわす
夏子です。

「どうもありがとう」

「お元気で」
と礼儀正しくお辞儀をする草壁。
このあたり蔵のハタラキとして、
当主の娘に対して立場をわきまえ
た態度を取ります。

ですが、駅に向かいはじめる夏子
には、やはりきさくに声をかける
草壁でした。
「夏子さん 先輩言ってました」

「え?」

「夏子は必ず戻ってくる
あいつはここが好きなんだ・・・
って」

なんと夏子さえ気づいてない、この
土地への夏子の想いを、兄は見抜いて
いたのでしょう。

それを聞いて、まさに当惑する顔を
見せる夏子。
兄の鋭い言葉が、自分の胸の奥の
どこかにつきささったかのようです。

そして車上の人となった夏子は、
流れていく景色を眺めながら、
また考え込んでいます。

風景とともに兄の顔が浮かんできて
今度はその兄が、明るく語っています

なあに夏子は戻ってくるさ
おれは知ってんだ
あいつはここが好きなんだ・・・

“「」内セリフのみ
出典:「夏子の酒」
尾瀬あきら著
講談社漫画文庫刊”

今回はここまでです。

草壁とはいい雰囲気になるん
ちゃうのー?と思った読者の方々
夏子は兄のいってた通り、全く
色気のないキャラのよーでして
このあとずーーっと、いい雰囲気
になるどころか、それをほったら
かしてどんどんストーリーは、
進んでいきます。

次回はとにかく夏子が東京へ戻って
からの話になります。

ではまた次回をお楽しみにー(^^)

 

清酒発祥の地の石碑が建つ奈良の菩提寺
で室町時代より伝わる「菩提元づくり」
通称「水元」で醸し、絶品の旨味にしたて
あげた「花巴」あんみんも飲んでおり
ます👍

レビューに気付いてみたら、どなたか、
香りに対して、文句があるようでしたが
なんと始めてから1年も経たないうちの
ツィッターでもファンの方一人みつけて、
かなり人気のあるお酒だという事を実感
しました。
フォロワーさんもフォローの方もお酒を
テーマにされている方は、ほとんど
いないにもかかわらずです。
たったお一人のレビューだけで、敬遠する
にはあまりにももったいないお酒だといえ
ます。

花巴 水もと純米 無濾過生原酒 720ML美吉野醸造株式会社(奈良県吉野町)

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感想(1件)

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感想(0件)

そうそうこのブログの応援もよろしく
ですー(^^)/
このブログ、スポーツだけじゃなく、
神秘や健康、音楽などとにかく
バラバラなので、ジャンルがなかなか
決まらずにいましたが、
あんみんといえば神秘という事で
この哲学・思想というのが一番近いかも
と思いこのカテゴリーにしましたー(^^)/
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